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Rumee ポータブルランプ|ガブリエル・タンが描く“自然と光の新しい関係”

Rumee の灯りには、空間のリズムを静かに整えるような穏やかさがあります。
強く主張することなく、周囲と呼応しながら光と影に柔らかな深みを生み出す。その控えめな佇まいには、どこか自然物のような気配さえ宿っています。
この静けさの奥には、デザイナー ガブリエル・タン( Gabriel Tan)の繊細な感性が反映されています。Rumee が“置く場所を選ばない”と言われるのは、光そのものよりも空間との関係性を丁寧に整えた設計ゆえ。控えめでありながら、場全体に心地よさが広がっていく──それが Rumee の本質的な魅力です。
Rumee の名前が語るもの
“Rumee(ルーミー)”という名前には、遊び心と温度が込められています。デンマーク語 rum(空間) と英語 me を重ね、さらに “roomie(ルームメイト)” という親しみある響きも含まれている。つまり Rumee は、「わたしの空間に寄り添う、小さな相棒」のような存在。どんな場所にもすっと馴染み、そっと灯ってくれる──その柔らかな性格が名前にも表れています。
実際に感じた Rumee の“本当の表情”
トラスファクトリーでは、Earth greyと Cloud whiteの2色を展示しています。実物を前にすると、写真だけでは伝わりきらない Rumee の立体感やニュアンスが一層鮮明に感じられます。近年人気の パンテラ160 ポータブル と高さは近いものの、Rumee は φ220 の広がりあるシェード と アシンメトリーの曲線 が特徴で、見る角度によってまったく違う印象を見せてくれるランプです。
少し距離を置くと素朴でおおらかに見え、近くで見ると一転して愛らしい佇まいに。
この“二面性”こそ、他のポータブルランプにはない Rumee の大きな魅力。角度によりキャラクターが変わる造形は、Rumee を語る上で欠かせない要素です。
Tan ─ ルイスポールセンが未来を託したデザイナー
Rumee を理解する上で欠かせないのが、デザイナー ガブリエル・タン の存在です。2025 年にはルイスポールセンの “Designers of the Year” に選ばれ、その感性とアプローチは世界的に高く評価されています。
タンのデザインには、自然のフォルムや、わずかな非対称がもたらす豊かさ、触れた瞬間に感じる感情、そして暮らしに物語を生む造形など、彼が大切にしてきた要素が一貫して流れています。
Rumee の柔らかく大きなシェードは、その哲学の象徴する存在。“大きな帽子のうねる曲線”から生まれたフォルムは、日常の静けさや柔らかな影を生み、空間にやさしい奥行きを与えます。Rumee は、ルイスポールセンが2025年に示す「これからの光」を体現したプロダクトと言えるでしょう。
光の“落ち方”が美しい理由
Rumee の光は、一般的なポータブルランプとは異なるアプローチで設計されています。
光はまずテーブル面に落ち、そこから反射して周囲へ柔らかく広がる。下部にディフューザーが眩しさを抑え、空気ごと整えるような光が生まれます。夜の読書、寝室で過ごす静かな時間、子どもとのひととき。どんな場面にも自然に馴染み、光の表情が空間にゆるやかな余白をつくります。
Rumeeの三段階調光、使い心地と光の表情
Rumee の調光は三段階で、どれも光の柔らかさを損なわれません。 最も弱い光は、枕元での静かな時間にちょうどよい明るさ。 中間の光は読書や手元の作業に適し、やわらかい影が集中を助けてくれます。 最大光量は空間にほどよい力を与え、 置き場所によって表情が大きく変わるのも魅力です。
触れたときにわかる“家具的な心地よさ”
Rumee は、灯りとしてだけでなく“持ち運ぶための道具”としての完成度も高いランプです。「太めで安心感のある持ち手」「0.8kg の程よい重さ」「手に馴染むグリップバランス」と、身体との関係が丁寧に設計されています。
これは、タンが家具ブランドとの協働を重ねてきた経験が生きている部分であり、“移動する灯り”という機能を美しく成立させています。
Rumee がもたらす、新しい灯りの心地よさ
近年人気の パンテラ160ポータブル や PH 2/1ポータブル が持つ、クラシックで整った佇まいとは異なり、Rumee にはどこか カジュアルで、少し心をほどくような表情 があります。それは、アシンメトリーが生む“ゆらぎ”が空間に軽やかな動きを添え、タンとの協働による新しいデザインへの挑戦 が確かに感じられます。
Rumee は、便利さだけを求めたポータブルではありません。
整いすぎない自由さの中に、静かな心地よさをそっと添えてくれる灯りです。

