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空間の余韻をたどって Vol.1|凛として、OW2000

今回は、2F「T2 ハイエンドシアター」に展示したCarl Hansen & Sønの「OW2000」をご紹介します。
圧倒的な存在感を放つオーディオシステムに囲まれた空間。
大きさも、迫力も、まるで違う世界です。
それでもOW2000は、決して負けていませんでした。
私自身、島崎信先生によるオーレ・ヴァンシャーに焦点を当てた勉強会に参加して以来、以前にも増してヴァンシャーの家具に惹かれるようになりました。
OW2000(エジプシャンスツール)が生まれたのは1957年。
ヴァンシャーはエジプトを訪れた際、古代の権力者たちが使っていた座具に魅了され、古代都市テーベの神殿家具から着想を得て、このスツールをデザインしたといわれています。
けれど、古代の家具をそのまま模したわけではありません。
ヴァンシャーが受け継いだのは、その「かたち」以上に、脚を交差させる折り畳み構造や、革そのものを座面として使う合理性。
余分な要素を極限まで削ぎ落とし、洗練されたモダンな家具へと昇華させています。
座面には一枚のサドルレザー。
そして、折り畳むとその革が脚の間へ自然に収まっていく。
装飾で魅せるのではなく、構造そのものが美しさになっている家具です。
周囲に張り合うこともなく、必要以上に主張することもなく、ただ涼しげな表情で、凛としている。
細い木のフレームとレザーで構成された軽やかな佇まいは、重厚で力強い空間の中にあっても、その美しい輪郭を少しも失いません。
むしろ、周囲の圧倒的な存在感があるからこそ、OW2000の静かな強さが際立って見えました。
誕生から70年近く経った今もなお、失われることのない気品と存在感。
この姿を見ていると、ヴァンシャーが古典家具から見出そうとしたものは、単なる様式美ではなく、時代を超えて残り続ける「家具の本質」だったのではないかと思えてきます。
この姿が、なんとも格好よくて。
そして、たまらなく愛おしい。
やっぱり、いい家具は強い。
OW2000の魅力を、またひとつ深く実感した瞬間でした。
【Carl Hansen & Søn の製品について】
TRUSS FACTORYは、Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)の正規販売代理店です。
今回ご紹介したOW2000をはじめ、名作家具の展示・お取り寄せはもちろん、空間に合わせた木種や張地選び、インテリア全体のご相談も承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。
OW2000|Carl Hansen & Søn
Design:Ole Wanscher(オーレ・ヴァンシャー/1957年)
Wood:Oak / Oil finish
Seat:Saddle leather / Cognac
Brand:Carl Hansen & Søn(Danmark)


