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空間の余韻をたどって Vol.2|機能美を照らす、LAMPE GRAS NO.205

前回の「OW2000」に続き、今回は1F「オーディオリスニングルーム」に展示したテーブルランプ、DCW editionsの「LAMPE GRAS(ランペ・グラス)NO.205」をご紹介します。
今回のイベント期間中、ショップフロアには広島の「大潮レコード」さんによるレコード販売ブースが登場していました。 近年、世代を超えて再注目されているアナログレコード。オープン前から心待ちにされていた方々や、真剣に、そして本当に楽しそうに一枚一枚レコードを選ばれている姿がとても印象的で、若い方からご年配の方まで、会場全体が心地よい熱気に包まれていました。

そんなレコード文化の豊かさを感じながら足を踏み入れたリスニングルーム。 静かに回転するプレーヤーの傍らで、飾られたレコードジャケットの手元を美しく照らし出していたのが、このLAMPE GRAS NO.205でした。 まさに、主役である音楽やアートワークを引き立てる「名立役者」のような佇まいです。
LAMPE GRASが誕生したのは1921年。 フランスのエンジニアでありデザイナーのベルナール・アルビン・グラが、アトリエや工場で働く人々のために設計したのが始まりです。
一切のネジや溶接を用いない画期的なジョイント構造によって、アームとロッドが滑らかに動き、照らしたい場所へ自在に光を届ける実用性。 その無駄を削ぎ落とした合理的な設計にいち早く魅了されたのが、近代建築の巨匠ル・コルビュジエでした。 コルビュジエは自身のアトリエで愛用しただけでなく、自らが手掛ける建築プロジェクトにもこのランプを数多く採用したといわれています。
この革新的な構造をベースに、LAMPE GRASはテーブルランプだけでなく、ウォールランプやフロアランプ、ペンダントなど多彩なシリーズへと発展していきました。用途や空間に合わせてアームの長さや設置方法が緻密に設計されており、1つの基本思想からこれほど豊かなバリエーションが生み出されている点も、この照明の大きな魅力です。
今回展示した「NO.205」は、円錐状のベースと絶妙なプロポーションのアームを持つ、デスクランプの代表的なモデル。 装飾を足すのではなく、「機能」そのものを突き詰めた結果として生まれた究極の機能美は、削ぎ落とされたインダストリアルな構造でありながら、どこかエレガントで彫刻的な佇まいを持っています。
ターンテーブルのメカニカルな美しさ、コンクリート打ち放しの壁面、そしてレコードジャケットが放つアナログな空気感。 それらすべてを受け止めながら、必要な場所にだけ静かに光を落とす姿は、驚くほど自然に空間へ溶け込んでいました。
100年以上も前に生まれた工業デザインが、現代の洗練された音響空間の中で、音楽やアートワークとこれほどまでに美しく響き合う。
時代を超えて残る名作には、場所やジャンルの境界を軽やかに飛び越えて調和する力があるのだと、改めて実感させられます。
ただ手元を照らすだけではない。 光の落ちる場所、そして影の陰影までもデザインしてしまうような、潔い強さ。
空間の中で音楽とジャケットにそっと寄り添うその姿に、デザインの本質と心地よさを深く感じたひとコマでした。
LAMPE GRAS NO.205|DCW editions
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Design:Bernard-Albin Gras(ベルナール・アルビン・グラ / 1921年)
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Material:Steel
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Color:Black
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Brand:DCW editions(France)


